FC2ブログ
20
2004

クリスタルTSUJI

CATEGORY未分類
見知らぬ教室に僕は居た。
僕は、黒板にある見知らぬ大学の名前をノートに取っていた。
そして、見知らぬ仲間達と会話を交わした。隣の隣の寝ていた生徒が、中年
の女教師に出席簿で殴られた。目覚めた男は、教師を殴り返した。教師は泣
き、男はせせら笑いながら「すいません」と言った。

僕は誰かに追われていた。
それは僕がしているバイトだった。何故追われているのか、何故逃げている
のかは分からない。だけど、この時間をやり過ごせば給料がもらえるのだ。
僕はコンビニのレジの前で伏せ、追っ手達をやり過ごそうとした。もし全て
がバレていて、この店に入ってこられたら僕は大変なことになる。だから、
店員が不審な目をしようとも僕は伏せ続けなければならなかった。

時が経ち、追っ手をやり過ごし、僕は買おうとしていたブロックチョコの代
金を払った。1000円札を渡して店を出ようとすると、店員が「お客さん、こ
れは18円ですよ」と言った。僕は、ああそうだった…と言う風ににっこりと
笑ってお釣りをもらった。そうか、ここでは、このチョコは18円なんだな。

そのまま次の仕事が始まった。
交差点にある、トタン屋根の汚い建物の解体作業だった。僕と同じようにど
こかから集められた若者たちは、バールを使って驚くほど乱暴に建物の屋根
から解体を始めた。僕は、飛び出た釘などを気にしながら適当に作業を手伝っ
た。作業が終わり、事務所に僕は電話をした。おそろしく事務的な対応をす
る男だった。僕は無欠勤だったのでそのように扱われたが、遅刻や欠勤など、
少しでも効率を乱したものがどう扱われるかを僕は知っていた。僕は、電話
機とその声を冷たいと思った。

そしてまた僕は学校に居た。
授業は終わり、放課後のあの解放感が訪れた。その感覚だけは、僕が知って
いたあの世界と同じだった。僕はこの世界でも暮らしていけるのかも知れな
い、と思った。気づくと、そこはもう駅だった。見知らぬ近未来のモノレー
ルのようなものが、僕と友人の前に止まった。友人の顔は、僕がかつていた
世界の旧友にどことなく似ていた。しかし、彼は彼ではないのだろう、と僕
は思った。

駅のスピーカーからふと耳馴染みのある音楽が流れ出した。
それは、タンポポの「王子様と雪の夜」だった。人々はその近未来モノレー
ルに乗り込んだ。だけど僕は動けなかった。動くことができなかった。僕は
かつての世界のことを思い出した。そして、近未来の友人はもう僕の隣には
居なかった。僕は、泣いた。