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19
2004

Ele E Ela

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最近、酔うとろれつが回らなくなってきた。
言葉を取り違えたり、話がループしたり、突然泣き出したり、記憶を殆ど
無くしたり、非常にまずい状況だ。こんなことではまりっぺと酒を飲む時
に困ってしまうではないか……。僕は酔っぱらったまりっぺを保護しなけ
ればならない立場だと言うのに…。ああ、ていうか酔っぱらって甘えてく
るまりっぺが見たいなぁ……。いきなり思いきり腕組んできたりとか、手
をギュッと握ってきたりとか。





握った手を前後に大きく振りながら、まりっぺが歌い出すのはアナ・マリ
ア&マウリシオの"Ele E Ela"だ。恋人達のための、世界で一番美しい音楽。

僕はそれをマルコス・ヴァーリの作品で知っていたけれど、マウリシオの
声はヴァーリよりも男性的で、そこにはまた違う種類のロマンティックな
空気が生まれる。二人は恋をしている。愛し合っている。甘い空気が身の
回りを取り囲んで、二人の身体は静かに熱を帯びている。僕も酔いに任せ
てマウリシオのパートを歌い出す。

さっきからちらついている雪は二人のハーモニーに合わせてその数を増し、
その幻想的な都会の光景は、二人の心を、ハーモニーを、より密に、甘く
絡ませる。なんだか、二人でいれば何でもできるような、そんな気になる。
いつまでも真里と一緒に居たいと思う。そして、真里も僕のことをそう思
っている筈だ。彼女の視線が甘い熱を持って僕を捉える。

…僕は夢を見ているのだろうか?





僕は、彼女の声が世界で一番好きだ。
彼女の声にうっとりとして、歌うのを忘れてしまいそうになる。僕は声を
ほんのちょっと張り上げる。彼女のパートにつられそうになって、慌てて
音を下げる。真里はすぐにそれに気づき僕に悪戯っぽく微笑みかける。

…曲が終わると、彼女はその小さな頭を僕の肩に乗せる。
僕は彼女の美しい金髪に降る雪をそっと手で払う。

彼女は立ち止まり、僕の手を離す。
彼女は目を閉じている。僕はまた、そっと彼女の唇に触れる。

夢なら、ひどく甘い夢だ。
僕は遠いブラジルの、アナ・マリアとマウリシオのことをふと考える。



…彼らは雪を見たことがあるだろうか?






  


   Ana Maria & Mauricio "No No No... Estamos Na Nossa"