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18
2003

The More I See You

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久々の超弩級階段上げ地獄。
(僕は引っ越しのバイトをしています)

僕は腕力の限界を見た。
足下を見つめながら階段を昇っている時の気持ちは
まさに奴隷そのもの。おじさん達は荷物が持てない
し、俺等が階段上げするしか無いんだ…。
やるしか無いんだ…。

残りの荷物の量を考えると、そのまま逃げ出したく
なった。腕はもう、とうの昔にぱんぱんで、握力も
いつまで持つか分からない。

動線(荷物の通り道)の途中には、明治座の広告があり、
6月の欄にはやはり

「  江戸っ娘。忠臣蔵 着物で歌い、舞い踊る
    モーニング娘。の時代劇ミュージカル   」

と、書いてあった。

普段、辛い作業の時は娘。のことを思い出して気合いを
入れる自分なのだが(辛くない時も考えてますが)、今日
はその時点でもう既に意識が朦朧としており、加護ちゃ
んとよっすぃーの顔を思い浮かべようとしても、その表
情はもやがかかったようにぼやけ、見えなかった。

そこで、僕は加護ちゃんとよっすぃーの声で「がんばっ
て、うたかくん!」と応援してくれている妄想に走って
みることにした。「モーたい」みたいな乗りでよっすぃ
ーと加護ちゃんが僕を応援している…。おお…おおぉぉ
、ちょっと力出てきたぞ……!やってやるか!
もう少し頑張ってみるか!



しかし、その妄想は階段を二往復した後にはもう既に頭か
ら消えていた。奴隷……。俺は奴隷……。娘。なんかには
一生会えない負け犬……。

僕は、今度はあややのことを考えてみることにした。
「ね~え?」の振り付けを頭の中で再生すると、何か、
あややの生命感が僕に少し宿ったような気がした。
「お出か~け~いたしまーせん 悲しくなりました~(サドネス!)」
僕はここの振りが死ぬ程好きで、暇を見つけてはあやや
になった錯覚を起こし、ダンスを練習し、陶酔している。
ウォークマン等を聞いていて高まった時には、本気で所
構わず踊り出したくなったりしていて、もう殆どリアル
基地外に近い。

この「ね~え?」効果は思ったより持続し、3往復分位の
パワーを僕に供給してくれた。僕は「あややってやっぱ
すげえな~」と思った。そして、次の瞬間にはさっきの
奴隷気分に落ち込んでいた。駄目だ…。もう俺は駄目だ……。



もし娘。達が男だったら、僕と同じ作業員だったら、
こんな時はどうするのだろう。

まりっぺは率先して笑顔で荷物を運ぶのだろうか。
本当は自分もかなりキツいのに。「うたか~、もうバテてんのッ?
ホラホラどいてどいてっ!」(なぜ女言葉なのかは不問に)

圭織は男になっても体力がありそうだから、
「キッツいねぇ~」とか言いながら地道に運ぶ気がする。

加護ちゃんは、ひたすら黙って、自分の人生について、
人生における苦しみについて考えながら運ぶような気がする。

辻ちゃんは体力があるのに、笑いながら荷物を落としそうな
気がする。「あっ、ごめんなさい…ウフッ!」お客さんは
許してくれそうな気がする。

りかっちは、他の作業員に毎回「大丈夫?」とか言われそう
な気がする。それで、結局荷物を二人で運んだりしそうな気
がする。「同じ男なのに、なんでこいつのことばっか助けた
くなっちゃうんだろう…」とか、変な疑問を抱かせそうな気がする。

よっすぃーも、圭織と同じに体力があるので、キツそうな顔
をしながらも黙々と運ぶ気がする。

圭ちゃんは潜在的に腕力は無いのだけど、ジムに通ってめちゃ
くちゃ鍛えていそうな気がする。バンバン運ぶ気がする。
運びながら、もう風呂の後のビールのことを考えていそうな気がする。

なっちとごっちんは、偉い人で、現場を仕切っていそうな気が
する。ごっちんは、それでも荷物を運ぶのを手伝ってくれそう
な気がする。ごっちんの作業段取りは良さそうな気がする。

なっちは、テンパってあちこちを右往左往してそうな気がする。
で、周りの作業員が助け船を出しまくって、結果、円滑に作業が
進みそうな気がする。「安倍さんの現場はこれだからなぁ~」と
か言って、作業員みんなで輪になって笑っちゃう感覚……?


……うわぁ、止まんなくなってきたぞ……。
明日の作業までもう何時間もないけど、行けるところまで
行ってしまえ(ビール3本目)!


あややは超人的な体力を発揮しそうな気がする。
同じ人間なのか、と思ってしまう位にテキパキと作業をこなす気が
する。段ボールを3段積んで走っているのに、見ていて全く危なげ
がないような気がする。

ミキティは、休憩でもないのにタバコを吸ってサボっているような
気がする。「藤本さーん、まだ休憩じゃないじゃないですかぁ…」
「あー、い~の、い~~の。頑張ったって給料変わる訳じゃないん
 だからさ、ゆっくりやろうよ…」(と、タバコの火をなかなか消さない)

5期メンは、僕等が運んだ書庫などを組み立てる施工屋さんのような気が
する。高橋が班長で(施工会社の名前は「ドリーム」)、四人ともかなりの
ベテラン。なのに、若い(20~24歳)。四人とも自分のバンドを持ってい
て、作業後はスタジオに入り練習、というハードな毎日を送っている。
しかも妻子持ち。

6期メンは派遣会社の下請けのような気がする。
たまに顔は見るんだけど、いつも名前を忘れてしまうような関係。
「あー、あんちゃん、名前なんだっけ?」
「亀井ですよぉ…いい加減覚えてくださいよ~~…」
仕事はちゃんとするので、直でうちの事務所に来れば良いのになー、と
思いつつ作業証明書にサインをやって、即別れる関係。

メロンは、トラックが足りない時に頼む運送会社のドライバー。
かなりガラが悪いが、仕事はちゃんとする。全員力持ち。

ココナッツは、事務の姉ちゃん。
一緒に飲みに行こうとしても、微妙な感じで断られる。でも、アヤカ(現場
から帰るといつも作業着の洗濯をしている)は誰に対しても脈がありそうな
感じの対応をするので、全作業員の憧れの的。

姐さん。女社長。独身。
色んな所から仕事を取りまくってくるので、会社的には利益が上がって良い
が、作業員の数が明らかに足りないことを気にしていない。一緒に飲みに行
くとおごってくれるのも良いが、べろべろになってしまうのでいつもタクシ
ーで送る羽目になる。その後で何かがあったとしても、誰の耳にも何も伝わ
ることは無い。

カントリーは、オールマイティー(食器など、細かいものを梱包する係)の姉
ちゃん。大学生。いつも自転車でやってくる。飛び飛びのシフトで入ってい
るので、なかなか自分たち作業員とは仲良しにならない。

前田有紀は、事務所が入っているビルの掃除の姉ちゃん。
若いのに、何故そんな地味な仕事をしているのかなど、一切が不明。

紗耶香は、事務所の稼ぎ頭だったが、数年前にライバル社にヘッドハンティ
ングされた伝説の人。現場が一緒になることは無いので、誰も近況を知らない。

あやっぺは、引退し、家業(鎧作り)を継いでいる。
ヤクザからの発注も多いので、思わぬ所であやっぺ作の鎧に出会ったりも…。

明日香も、完全にこの業界から足を洗い、レコード屋(プログレ、ユーロ、サイ
ケ、ジャーマン系等の専門店)の店員をしている。





って、何をやってるんだ俺は。
もう寝る時間無いんですけど。と、言いつつも眠気。
明日(つうか今日)、起きられんのかなぁ。…つうわけでガクッ。