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06
2003

だいじょーぶ

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あー、あー、現在の所持金は528円也。528円也。
こんなんじゃ爆音までの交通費で無くなっちまうよ!(路上の
小銭を求めて深夜徘徊)

昨日の鬱は自慢の超強力防衛本能により、「よっすぃーと同棲
したい」という願望へと変換。一日中好きなレゲエを聴きなが
らよっすぃーのことを考えていました。よっすぃー…。

今日はなんだか寒かった。
ずっとひとみが側に居てくれれば良いと思った。

ああ……よっすぃー……。



僕がMacに向かって作業をしていると、ひとみが「さっ、
さむぅ~っっ!!」とか言って抱きついてくるのだ。

本当はそんなひとみが可愛くてたまらないのだけど、僕は
「くっつくなよ…」と、ニヤけそうになる顔を引きつらせ、
ひとみを拒絶する。ひとみもそんな僕の態度は分かってい
るから、何度もしつこくじゃれついてくる。

「ね~え~、こうちゃんつまんな~~い!遊んで遊んで!」

僕は8回目のひとみの攻撃にもう耐えられなくなり、7割は
完成していた作業を微妙な気持ちで中断する。
時計を見ると、6時半。微妙な時間だ。

金も無いので、結局飯を買いに行くことにする。
食いにでは無く、買いに行く。ひとみは、僕に金が無いのは
分かっているから何も言わない。たまには何か美味いものを
食わせてやりたいと思うけど、なんだかいつも、知らない間
に金は消えている。

結局、いつもの酒屋でビールを買い、いつもの焼鳥屋でつく
ねやらレバーやらネギマやらを買って帰る。

「寒っむ~~い」
ひとみはさっきと同じ台詞を繰り返し、僕の腕に抱きついてくる。
寒いけど、僕はこうしてひとみとくっついて歩くのも好きだった。
寒いから、温もりを求めるからくっつくだけのこと。
それが僕には素晴らしいことのように感じられた。類はそれは、
僕がそういった温もりから今まで遠く離れすぎていたからかもしれない。

僕は、ひとみを見た。
「…ん?こうちゃん何?」ひとみは、小動物みたいに目を丸くした。
「寒いね」僕は心にも無いかと言えば、そうでも無い一言を言った。
「うん」ひとみは、涙が出る程正直にそう答えてくれた。



部屋に着くと、レゲエやスカを聴きながらビールを飲んだ。
「あっ、このつくね冷めてるぅ~…あのおじさん、こないだも冷めてる
の入れてたんだよー…くそー…」ひとみは憎々しげに串を空中に刺した。
「あっ、俺も思った。いつも買ってやってるのにとんでもねえ店だな!
あそこは!」僕も対抗して、串を折った。楽しかった。

ひとみと音楽を聴いている瞬間は、いつもあっという間に過ぎた。
そして、いつも何を喋ったのか、何を聴いたのかを憶えられなかった。
気づくと、僕らは歯磨きをして布団の中に入っていた。

僕は、うつらうつらとひとみと抱き合っている瞬間が好きだった。
夢と現実の間を彷徨い、現実に戻るとそこにはひとみが居た。そして僕は
安心して夢の世界に戻っていく。ひとみの安らかな寝顔を見ている内は、
世の中に嫌な事なんて起きないような気が僕にはしていたのだ。

朝方、酒の残った頭で目覚めると、小さい音でiTunesのレゲエ・ライブラ
リはがループしていた。消すのが面倒くさくて、ボリュームを絞ったまま
眠ってしまったのだろう。良くあることだ。

僕はひとみを起こさないように、枕元の「こち亀」に手を伸ばした。
確かめもせずに手に取った巻では、チャーリー小林や星逃田や冬本や戸塚が
元気に活躍していた。「こち亀」で僕が一番好きな頃の話だ。
僕は、早朝のトラックの振動や(家が古いので、良く響くのだ)、スズメの声
をぼんやりと感じながら、ページをめくった。



ひとみは、7時が近づいても起きなかった。
僕も「こち亀」を整理し、42巻まで読み終えていたが、段々と眠くなってきた。
僕は単行本を積んで部屋の隅に追いやり、また寝転がった。
iTunesからはいとうせいこう&タィニィ・パンクスの「だいじょーぶ」が流れて
いた。僕は「こち亀」と同じように枕元に転がった「建設的」のジャケットと歌
詞カードを手にとって眺めた。そして、ひとみを起こさないよう、なんとなく心
の中でそれを歌った。


いつかきっと また会えると 思っていたけれど
こんな早く その日が来るなんて 不思議さ
ぼくの靴と君のシャツが 昔を思い出す
ひとみつなぐ2人は もう大丈夫


「ひとみ」という文字を見つけ、僕はそれを彼女にすぐに知らせたかったが、
それは出来なかった。ひとみは未だ世界平和的な寝顔を僕に向けていた。
僕は、その寝顔を見ながら僕の靴とひとみのシャツのことを考えた。

僕の靴とひとみのシャツは、言語化出来ない雲のようなものに変化し、僕の
頭の上を包み始めた。ああ、また眠りがやってくるのだ…。ひとみ……。
僕は、最後にもう一度ひとみを確認して、目を閉じた。


僕はもう、だいじょーぶだろうか。
ひとみが側にいてくれるなら、だいじょーぶかも知れない。