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15
2003

沈み込む感覚

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沈み込む感覚。
肩の上に何か「重し」が乗っているような、そんな感覚。
僕は大きくため息をついて、水面に浮かび上がろうとするが、
大きな手がまた僕の肩を掴む。息苦しさだけが増して行く。
しかし、僕は溺れ死ぬことは無い。その苦しさだけが続いていくのだ。

そんな酷い状態と、ほっとする瞬間と。
相変わらず波が激しすぎる。

人を求める気持ちと、人を恐れる気持ちと。
きっかけがなんなのかとか、そういうことはもう思い出せない。
ただ引き金がそこにあっただけで、僕は多分いつかここに来ること
になっていたのだろう。いや、僕はもう昔から何度もここと似たよ
うな場所に来ていた。何度も、何度も。
しかし、その度、僕はいつしかまた現実に戻っていった。

こういうのには、いつまで経っても慣れない。
例えば目の前に50mプールがあって、それを何度も泳いだ人なら、
どの地点が一番苦しく、どの地点を乗り切ればゴールに辿り着ける
と言うのが身体で分かってくる(と、する。あまり泳ぎは得意じゃないから)。

でも、こういうような状態に陥ると、その苦しさがどこまで続くのかが
全く分からない。永遠に続く訳は無いと分かっているけど、終わったと
して、またいつか同じような苦しみを味わうのかと思うと、本当に絶望する。

そこでは全ての理屈はその効果を失い、たった一つの想念へ全ての思考
は走り始める。「俺はもう駄目だ」

駄目だ、と言う思考を何百回、何千回も繰り返した先には当然「死」しか無い。
実際に死ぬ訳ではなく、思考が全て「死」「無」へと向かい始める。
その瞬間、自分が初めて楽になれるような気がするからだ。
全てのコンプレックスや苦痛や責任から解放される(だろう)場所。





目が覚めると、また違う波が僕を取り囲んでいる。

僕は加護ちゃんを求める。

僕は加護ちゃんの何が好きなんだろう…。

僕は最後には、加護ちゃんの性が好きなのかも知れない。
僕が加護ちゃんに感じる狂気と言うのは、僕の性が求める彼女の性なのかも知れない。
そして僕は、僕の性は、彼女の性とは全く相容れないものだと感じているのだ。

それは、悲しいことだ。とても悲しいことだ。

そして、僕は、自分を慰める。

僕はどうしてもそれを上手く想像することができない。
僕は僕ではない。僕は誰かのかたちを借りている。
夢の中で夢を見ているみたいに、もやがかかっている。
僕は加護ちゃんのことを知りたいのに、知ることが出来ない。

加護ちゃんが見ているのは僕であって、僕では無い。
そして、僕が見ているのは加護ちゃんであって、加護ちゃんでは無い。

奇妙な感覚の渦の中で、僕は崩れ落ちる。
助け起こしてくれる人は居ない。それを確認して、僕は意識を失う。