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19
2003

銀ちゃんのラブレター

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自分が一人なのだと言うことを嫌と言う程実感させられるこの季節。

街を歩くどんな恋人達も楽しそうで、幸せそうで、冬コンピを聴きながら羨ましくて、
寂しくてたまらなくなる。「末長くお幸せにね!」とか思っちゃったりしてね!関係
無いのに。僕の隣にもし娘。が居たら……と、いつもの妄想に入り込んだ瞬間、浮かん
できたのはこんこんだった。耳当てをしているこんこん。雪みたいに真っ白なこんこん…。



ああ……ここからはハロショが近いけど、今日は寄るわけにはいかない。
だって、僕はこんこんとデートをしているのだから。

今日は絵里っぺの誕生日をみんなで祝う会らしい。スケジュールの都合で、今日の内に
やってしまおうと言う訳だ。じゃあクリスマスパーティーも兼ねちゃおっか……!

と言う娘。達の決定により、僕らは絵里っぺにあげるプレゼントを選びに来ていると言う
訳なのだ。そして、実は僕の誕生日は絵里っぺの次の日だったりする。……もしや、僕も
娘。達からプレゼントをもらえたりするのだろうか。こんこんは俺の誕生日のことをメン
バーに話しているのだろうか?パーティが終わった後のことを何も話してないけど、こん
こんはどうするつもりなのだろうか……?

そもそも僕らは恋人では無いし、いや、すると、なぜ僕はこんこんと街を歩いているのだ
ろうか?いや、それはこんこんからプレゼントを選ぶのに付き合って欲しいと言われたか
らであり、そして、今までの経緯を考えるとこれはデートに違いない内容だったりするの
だけど、ああ、こんこんはいったい何を考えているんだ?

俺はすっかり舞い上がっちまってその気だけど、勘違いだったりしたらこれ以上痛いこと
は無い。でも、僕は今日一日でこんこんに間違いなく恋に落ちてしまった。そして、なに
より君もそんなに楽しそうじゃないか。俺はどうすれば良いんだ?……ああ、後、今日の
パーティに呼んだヲタ仲間達(ヲタだと言うことはメンバーには隠ぺい)はショックで死ん
でしまったりしないだろうか…?それより、俺もショック死してしまわないか……??
たった今でさえこんな状態だと言うのに……。


「ねえ、なにぼーっとしてるの…?」

我に返ると、こんこんがあのきらきらとした瞳で僕を見つめている。

「あ、いや、あの……」僕がまごついていると、こんこんは僕の手をつかんで、引いた。
後ろから来た自転車に気づいてこんこんがそうしたのは分かっていたけど、でも僕は、
握手会以来三回目のその接触で、決定的に脳を焼かれてしまった。

…安いスピーカーから流れる安いクリスマス・ソングも、最高のポップスに聞こえた。
ああ……ああ……こんこんもきっと俺を好きに違いない!この際もう勘違いでも構わない!

僕は、こんこんの手を自分から握った。
厚いコート越しからでも、彼女の震えが、体温が分かった。

雪みたいに真っ白だった彼女が、ほんの少し赤みを帯びる。
こんこんの心に灯が灯ったような気がした。…彼女にも、僕の灯が見えているだろうか。
僕は、もう一度彼女の手を強く握った。

彼女と僕の肩は重なり、街は、また暖かく輝きを増した。