友理ちゃんクイズ
もう休みも残り少ないと思うとただひたすら寝ていたくなり、
しかしいつものように短い夢を見て覚醒し、また違う夢を見て…を繰り返す。
これを繰り返すと頭が痛くなるような気がする。しかし、夢の世界に居たほうが楽なことは確かだ。
このままではいけないと思い、Kと連絡をとって飲む。
秋葉原は思いの外混んでいて、自分たちのように飲む目的の人たちのようにも思えなかった。
メイド通りの客引きメイドもいつもよりは少なかったが大手の子達が居た。
Kと適当なチェーン店に入った。
適当な塩梅になった我々は、ハロプロのクイズを始めた。今までもよくやった遊びである。
誰が何歳で、あのシャッフルユニットのメンバーが誰で、とかそういう遊びだ。
もちろん僕はかなりのことを忘れており、しかし、自分にとって忘れてはならない部分は
ちゃんと答えられたので、ほっとした。
ガーディアンズ・フォーという単語を耳にして、友理ちゃんのことを思い出した。
最近のWeb記事で、友理ちゃんがアイドルとして活動していくことに当時悩んでいたという
記事が載っていた。なぜ僕らは友達になれなかったんだろうな?
最初の頃の友理ちゃんのパーフェクトな笑顔が徐々に失われ、でも僕は何もできなかった。
握手厨の僕は、数秒間の中で何かを伝えようとしていた。そんなの何も伝えられる筈がない。
でも、友理ちゃんはいつも、いつもニコニコしていた。
手紙で何かを伝えようともしたけど、自分の言いたいことを全て詰め込むとあまりに重くなって
しまうから、あえて短くもした。友理ちゃんのことだけじゃなくて、キッズみんな好きだったから
とにかく必死だったから、正直内容のことは覚えていない。
十数年経ち、アイドルから距離を置き、しかし今日のように友理ちゃんを思い出すことができるのは
自分にとって、それはとても大切なことだったんだなと思った。