約束して

正直「らん」を見てからずっと欝のような状態が続き、℃-uteのブログを見ることも止めてしまった。
演劇としては文句なく面白かったし、舞美さんがその刺激を受けまたひとつ成長するだろうことは肌で感じた
のだけど、偏執的なファンである僕にとっては、それは嫉妬と絶望でしかなかった。舞美さんが誠実であれば
あるほど、舞美さんは全てを引き受けざるを得ない。
こんな狂ったような嫉妬の毎日を過ごすなら、もうヲタなんて辞めてしまった方がいいんじゃないかと思った。
タカオくんが劇中「舞美さんを一番好きなのは俺だー!!!」と叫びそうになったと言っていたが、その気持ち
はよく分かる。なんでお前らに舞美さんに向かって「やらせて」だのなんだの下品な台詞を吐く資格があるんだ。
そんな言葉を浴びせられた舞美さんはどう思うんだよ。…まあお芝居なんだけどさ。
でも、お芝居はお芝居だってクールに突き放せる人間はそもそもアイドルヲタにはならないと思うわ。
俺が重要だと思ったのは、そこで決定的なショックを受けた時、自分は舞美さんが持つ何が一番好きだったのか、
そういうことについて考えることだと思うんだわ。
もし、それが本当に自分にとって重要なものだったら、大抵の何事かがあっても耐えられると思うんだわ。
でも、2列目で見た舞美さんの演技は、というより、その存在は、あまりに圧倒的で、僕の稚拙なロジックは
簡単に踏み潰されてしまった。僕はまた舞美さんに負けた。
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舞美さんのことが一番好きだけど、でも、自分の心がこれ以上壊れないようにするためには、舞美さんを好きで
いることをやめた方がいいのではないかと思うようになった。というか、そんなのはヲタを止めればいい話なん
だけど。
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「キッズ」という概念はほぼ消滅してしまったけど、僕はそこからどうしても逃れられない。
そこには僕が本当に求めるもの全てがあったし、僕がその中で最も重要だと感じる「キッズ」的なものを
持ち続けているのは舞美さんだったのだ。大人だとか子供とかそういう話じゃなくて、そのひたむきさや
誠実さや、不器用さや、そういう長短を含めた「キッズ」的なものの象徴として、舞美さんはいつからか
ずっと僕の最高の人になった。
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「らん」以降、何を見るのも辛くて、ネットからもなるべく離れ、ハローの情報を遮断する日々が続いた。
その日々で僕が一番に感じたのは、とても安らかな、心の平穏だった。
舞美さんのことを考えなくていい。
この終りのない牢獄からようやく開放されるんだ。もうこの枕を舞美さんだと思って抱きしめなくてもいいんだ。
舞美さんが僕の名を呼ぶことはない。僕が舞美さんの名を呼ぶこともない。すべて終わりだ。
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そんな風に終われたら楽だったんだけど。
ハロコン見たり、梅さんに会ったり、友達と話したりしてる内、少し持ち直してしまった。
結局ヲタなんてそんなもんなのかも。
でも、梅さんと話せたことは本当に大きかった。
僕は梅さんへの最後の手紙に「そして今でも」の歌詞を書いた。
それが届いたのかは聞かなかったけど。
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約束して しっかり抱きしめて
私を離さないと ありきたりな私の悲しみを あなたも気づかないの
恋の終わる日が 近づいてるの 息を殺して 通り過ぎるまで
優しい言葉 なんにも言わないで 泣き出してしまうから
きっと私が 見知らぬあなたと 再び恋に 落ちることはない
そして今でも 私はあなたを失い続けている