悲しい夢
どこかの療養施設にいる俺。
施設は森の奥深くにあって、周りに自分以外の人間は誰もいない。
たまに窓辺にくる小鳥と戯れたり。それ以外の誰とも会わない。
あまりにその場所で長く過ごしたせいか、寂しささえ感じることもなく。
寂しいってなんだっけ?でも、どこか寂しいような気がする。
そんなある日、突然僕の部屋に友理ちゃんがやってきた。
友理ちゃんは昔からの恋人みたいに僕に接してくれた。
僕と友理ちゃんは抱き合った。
部屋にはレイチェル・グールドとチェット・ベイカーの"I've Got You
Under My Skin"がかかっていて、僕は寂しさのことを思い出した。
そうだ。寂しいってこういうことだった。
たぶん、あの綺麗な小鳥が友理ちゃんなんだ。