風邪
ももぞのさん、ふっちくん、まめくん、バッハさん、皇子くん、京くんを迎えての盛大な
涙の色再評価オフ。朝方まで宴は続き、僕は完全にアルコールが脳に回り、いつも
のようにSAKIを抱きしめて愛の言葉を囁いた。ふっちくんが「うたかさん帰りますね」
と声をかけて多分数秒後にもう僕の意識は途切れていた。
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起きると喉が猛烈に痛い。そして気持ち悪い。
腫れた喉を焼く胃液。涙を流しながら独りトイレで吐いていると本当に死にたくなる。
その後風邪薬を飲んで、寝たり起きたり吐いたり。家には食糧はインスタントラーメン
位しか残っておらず、体力が少し回復した頃合いを見計らってスーパーに出かける。
スーパーへの行きも帰りも頭がクラクラして、ああやばいな、と思う。
台所に立ち、カレーを作っている時にまた猛烈に気分が悪くなり、吐く。
また薬を飲んで、布団に倒れる。
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目の前にあるのはあいりーんが作ってくれたジンジャーカレーだと思い込み、食す。
あいりーんの言葉や表情や、台所に立つ後ろ姿を想像すると、なんだか泣きたくな
って、ちょっとだけ安心する。あいりーんはそこにはいない。でも、僕だけの愛理が
そこにいる。朦朧とした意識の中で、僕は彼女の幻影といつまでも戯れた。