浅草
舞美さんに5度モーションをかけ、5度微妙な顔をされるという夢を見た。
そして起きたら夕方5時。
ホントの自分も夢の自分もショボ過ぎる…。口内炎は縮小。
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などという日記をMixiに書き、ど鬱。
しばらく何をするか迷い、kyowkiさん達のイベント「ギブUPまで待てない!!!」へ向かう。近いのでバスで行った。
近所なのにいつ降りたのかも分からない浅草寿町。
酒が入っているわけでもないのに、胸がいっぱいになって、泣きそうになりながら街を歩いた。街のいたるところが変わっている。
16歳の頃に、舞美さんと同じ年の頃に、浅草の引越屋でバイトを始めて、20代半ばまでずっとこの街にいた。仕事を終えれば日給の7000円を握りしめパチンコに向かい、スッて友達と愚痴をぶちまけながら酒を飲み、初めての恋人と会ったのもこの街だった。
僕が16歳の頃知らなかったポップスを聴きながら、通りを歩くのは不思議なものだった。あの頃ここで知り合った人達とは遠く離れてしまい、もう会うことはない。恋人とも、多分もう二度と。
僕が舞美さんと(或いはしみハムと)笑いあったり、同じ音楽を聴いて恋し合ったり、抱き合ったり、キスしたり、そういう妄想の原型はあの頃、この場所で、この通りで生まれたんだろう。
僕は誰かに話しかけたくなったけど、隣には誰もいなかった。
僕は29歳になって知った音楽を聴きながら歩いた。