再涙自慰

将来に何の希望もなく、愛し合う恋人もいない。
僕の部屋に響くのは僕の無意味な独り言ばかり。顔を合わせるのはポスターの中のキッズ
達だけ。想像の中で彼女達と愛し合う。毎日、毎日、毎日…。自慰を繰り返してもどこへ
も辿りつくことはない。全ては僕の中での完結した出来事であって、現実に彼女の愛を得
ることはできない。そんな風に、封印していた記憶がまた浮かび上がってきた。それでも
僕は泣きそうになりながら、すがりつくように自慰を繰り返す。


あまりに寂しくて、未来が恐ろしい。
寂しさはどこまでもどこまでも増大し、限りがない。もう誰とも愛し合うことなく死んで
いくことを想像すると、恐ろしくてたまらない。色々あって、仕事にも全く自信を無くし
てしまった。29歳にもなって何一つものにできないどうしようもない駄目人間のことを好
いてくれる人などいない。


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アフロ・ブルース・クインテットの"Spartacus"。
もの哀しいヴァイヴの音色に感情を浸す。ちなこと肩を並べて、耳を澄ませる想像をする。
想像すればするほど、寂しさはまた大きくなる。僕は想像をやめる。雨が降り出す。


僕は音楽を止めて、眠りが訪れるのを待つ。
彼女達がこんなに頻繁に僕の夢を訪れるのは、精神崩壊を防ぐために脳がバランスを取って
いるのかも知れない。そろそろ本当に限界なのか。