桃子夢

写真厨サバイバルレース。
場所は東京ドーム？各所で突発的に発売される写真を全て
手に入れなければならない。そして突発的にアナウンスさ
れるクイズ。これの回答を時間内に答案用紙に記入し、時
間内に提出しなければならない。クイズは突然アナウンス
され、さらに答案用紙提出場所が知らされていないため、
ドームの端から端まで走らなくてはいけないこともある。
このクイズ正解と引き替えに1つずつキーワードが与えら
れ、12個全てのキーワードを手に入れたものに特別写真
セットが与えられる。

そんなこんなで僕も他のヲタに負けずに必死に走っている
と、答案用紙提出所の影にぺたりと座り込んだ桃子が。
「あっ、うたかくぅーん！」手を振る桃子。なぜか他の
ヲタ達は写真に夢中で本人に気づかない様子。

桃子は満面の笑みで自分が知るキーワードを全て教えてく
れた。そして「うたかくんってキッズで誰が好きなの？」
と言った。僕は「も、も、桃子！！！！」と叫びたくなっ
たがその甘い罠をなんとか回避し「み、みんな好きだよ」
とお茶を濁しておいた。

罠に落ちても構わないと思えるほど桃子は優しかった。
また、それが罠ではないことも分かっていたが、僕は桃子
へのマナーとして抵抗をした。そして、なぜかその他愛も
ないやり取りに大きな幸せを感じた。嬉しくなって、飛び
跳ねようとしたところで目が覚めた。