繁華街
猥雑な町を朝方に横切るのは久しぶりの感覚で、僕はぼろぼろの
身体を引きずりながらめーぐるのことを考えていた。
めーぐるに寄っかかりたくてたまらなかった。
体温が、匂いが、感触が欲しかった。あまりに根源的な欲求と疲労
のせいで、僕はなぜそれが与えられないのかなどということは考え
なかった。ただただ、めーぐるがそこにいないことを苦しく思った。
次の握手の時にどうにかしてそれを伝えようかと思ったが、そんな
ことを伝えられるはずがないと思った。しかし、でも、僕はまため
ーぐると握手がしたいと思った。
めーぐる、今日は君の写真のことについても話したんだよ。
めーぐるが僕のことをどう思うかが知りたい。
めーぐるに愛されたい。
めーぐるの愛が得られないなら、もうこのまま永遠に目覚めなくていい。
僕はもう限界だ。「即抱きしめて」というタイトルが最後に頭に浮かぶ。