私事
くそう、****め!!!
せっかく妄想していたのに挨拶もせず入ってきて話題を変えやがって…!!!
(私事、冗談)
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なにやら舞美さんが僕の頭脳をいつもよりもっと密に支配し始め、僕は不安な
気持ちでいる。誰を好きになっても、現実的に会える可能性は限りなくゼロに
近いという注意書きは常に頭の中にあるが、その事実さえも飲み込んで、まだ
好きという感情が勝っている状態にあるのかも知れない。
つらいかつらくないかと言われればもちろんつらいけど、恋愛が現実として成
就しないためのつらさと言うより、現実に舞美さんが存在していることに対し
ての根源的なつらさであるような気がする。パシフィックヘブンで見た舞美さ
んは現実の女の子だった。そして僕はその瞬間、現実の女の子を好きになった
のかも知れない。それまでの妄想の文脈、呪縛から離れ、ゼロの地点で舞美さ
んのことを好きになったのかも知れない。現実の舞美さんを。
「まっさら」で必死に踊る舞美さんの姿がまた僕を覚醒させた。
曲が終わった後、息切れしてMCできない状態を見て、℃-uteの3ヵ月連続イベ
ントを思い出した。赤い衣装の舞美さんと握手した瞬間を思い出した。舞美さ
んの大きな手を思い出した。ぎゅっと強く握ってくれた時の、あの感触を思い
出した。なんだか、そういう直接的、肉体的な感覚の記憶が鮮やかに甦ってき
て、軽い興奮状態が続いている。そして、その状態が不安でもある。