宴の後
深夜、食料品が無くなったので24時間営業のスーパーへ。
寒い。誰も居ない。うっとうしくてしょうがなかった昼間のスポフェスの
喧噪が嘘のように思える。双眼鏡で覗いた舞美さんの姿を思い出す。世界
中の人間に等しく輝ける舞美さんの笑顔を。平凡なコメントしか残せない
舞美さんの不器用さを。フットサル敗戦後見せた舞美さんの涙を。
舞美さんの真剣な表情。舞美さんの純真さ。舞美さんの真っ直ぐさ。全て
僕が失ってしまったものだ。そんなことを考えているまさにその瞬間に
僕のiPod Shuffle「まいまい」はロジャー・ニコルズの"Let's Ride"を再生
する。希望に満ちたメロディーは舞美さんそのものであるかのように聞こ
える。なんだか泣きたくなる。どうして舞美さんを見ているといつも喪失
感に捕らわれてしまうんだろう。どうして舞美さんはあんなにも輝いてい
るのに、僕は切なくなってしまうんだろう。
□
帰り道、舞美さんの見る夢を想像する。オカールの見る夢を想像する。
みんなもそれぞれの夜を過ごしているのだ。舞美さん、ゆっくりお休み。