Loser
とうとう家には僕だけしか居なくなってしまった…。
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日々の買い物を済ませる。大嫌いな人混みをやっと抜けて公園に
入ったら、とても綺麗ないちょう並木が広がっていた。美しかっ
た。恋人にそれを伝えようと思い、いや、俺に今恋人は居ないの
だと思い、でも舞美さんにそれを伝えたくなった。
長い時間をかけ、美しい風景を横にして歩いていると必要以上に
孤独感が浮かび上がる。舞美さんと言葉を交わすことなく死んで
いくことを考えると、薄ら寒い、どうしようもない不安な気持ち
になる。舞美さんの未来の恋人を想像し、嫉妬する。
それはプリキュア映画に出てきた何とか先輩のような爽やかな男
で、僕は逆立ちしても、何の分野でも、敵うことはない……。
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僕は嘆きの壁の前で、永遠に泣き叫び続ける。