No Title
やはり今は走っている時が一番楽だ。
誰とも会わず、僕とiPod Shuffle、iPod Shuffleの中のDJまいまいだけで
夜を独占する。まいまいは、歩を止めようとすると決まってアップテンポ
の曲に切り替える。僕はつられてスピードを上げ、もう一周する気になる。
その他に僕が出会う人達と言えば、道路工事のおじさん達、同じようにジョ
ギングしている若者(彼らは僕とは違う、何かしらの競技をしているスポーツ
マンのように見える)、公園でいちゃついた帰りのカップル、あとは道端のカ
エル。
実際に会うのは道端のカエルが一番多い。
大小様々なカエルを一周の度に5~6匹見かける。もしまいまいが「中の人」
でなく、隣にいたなら捕まえて見せてあげたいといつも思っているのだけど。
それとも、そんなカエルを見て喜ぶのはオカールくらいしかいないだろうか。
□
1時間ばかりを走り終えると、息を整えながら家へと歩く。
豪邸という訳ではないけど、こんな家に住みたいな、というような家が帰り
道には何軒もある。僕は舞美さんとそんな家に住むことを想像する。
今、まいまいDJが選曲しているようなジャズを聴きながら、舞美さんと夜を
過ごす。僕は今、そんな安らかな日常を何よりも求めている。
今は「℃-uteの夏休み」を見ているのが一番楽で、幸せだ。
それ以外のことを考えていると、被害妄想や拒絶反応や敵意や憎悪や絶望や
自己嫌悪や、ろくでもないものばかりがやってくる。とにかく怖くて怖くて
仕方がなくなる。こんなにも怖いことなら、見たくない。周りに自分を合わ
せてうやむやにすることもしたくない。そんな瞬間、僕は一人になりたいに
決まっているだろうし、周りに自分を合わせるのはとてもエネルギーを使う。
□
脱退のことを聞いた昼公演後、Aさんが悲しそうな顔をしながら「しょうがな
い」を繰り返したのが印象的だった。そう、それは実際にしょうがないし、
どうしようもないことなのだ。
しかしそれと同時に、僕ら(僕とAさん、その仲間達)はおそらくBerryzを「理
不尽な脱退」というものから完全に離れた場所に置いて考えていたような気が
する。「理不尽な脱退」の向こうにあるのはいつも事務所の影だったし、本人
や家族の意志が介在する脱退のことなんて、もう僕の意識の中には存在もして
いなかった(そういうことが起こったのは2001年よりも前のことだった)。
僕は2004/2/7以来、たぶん、もうこういう風に女の子を好きになることは
無い気がしていたし、今でも、たぶんこれが最後なんだろうと思っている。
□
「ドゥーアップ」にしても、「パッション」にしても、舞波の声は僕のような
いい加減な聴き手にもはっきりと分かる個性だった。木戸孝允と言った舞波も、
フレッツ動画の黒衣装で決めた舞波も、それを大人っぽいと賞賛するみんなも、
全てが「キッズ」と言う幸せな記憶の一つ一つであり、Berryzと言う記憶の一
つ一つだった。
だから悲しいのだと思う。
僕は、いつかDさんが怒り気味に言った「それを丸ごと愛せなくて一体どうする
んですか」と言う言葉を思い出す。まったく、その通りだと思う。
そうでないとしたら、何もかもが代替可能だと言うのだろうか。
僕はそういう考えを目にする度にどうしようもない、抑えきれない怒りを覚える。
そして、どうしようもなく寂しくなる。
□
初めての単独コンサート、名古屋の駐車場。寝転がった頭の砂利の感覚を思い出す。
僕はあの時、本当に幸せだったのだ。
誰とも会わず、僕とiPod Shuffle、iPod Shuffleの中のDJまいまいだけで
夜を独占する。まいまいは、歩を止めようとすると決まってアップテンポ
の曲に切り替える。僕はつられてスピードを上げ、もう一周する気になる。
その他に僕が出会う人達と言えば、道路工事のおじさん達、同じようにジョ
ギングしている若者(彼らは僕とは違う、何かしらの競技をしているスポーツ
マンのように見える)、公園でいちゃついた帰りのカップル、あとは道端のカ
エル。
実際に会うのは道端のカエルが一番多い。
大小様々なカエルを一周の度に5~6匹見かける。もしまいまいが「中の人」
でなく、隣にいたなら捕まえて見せてあげたいといつも思っているのだけど。
それとも、そんなカエルを見て喜ぶのはオカールくらいしかいないだろうか。
□
1時間ばかりを走り終えると、息を整えながら家へと歩く。
豪邸という訳ではないけど、こんな家に住みたいな、というような家が帰り
道には何軒もある。僕は舞美さんとそんな家に住むことを想像する。
今、まいまいDJが選曲しているようなジャズを聴きながら、舞美さんと夜を
過ごす。僕は今、そんな安らかな日常を何よりも求めている。
今は「℃-uteの夏休み」を見ているのが一番楽で、幸せだ。
それ以外のことを考えていると、被害妄想や拒絶反応や敵意や憎悪や絶望や
自己嫌悪や、ろくでもないものばかりがやってくる。とにかく怖くて怖くて
仕方がなくなる。こんなにも怖いことなら、見たくない。周りに自分を合わ
せてうやむやにすることもしたくない。そんな瞬間、僕は一人になりたいに
決まっているだろうし、周りに自分を合わせるのはとてもエネルギーを使う。
□
脱退のことを聞いた昼公演後、Aさんが悲しそうな顔をしながら「しょうがな
い」を繰り返したのが印象的だった。そう、それは実際にしょうがないし、
どうしようもないことなのだ。
しかしそれと同時に、僕ら(僕とAさん、その仲間達)はおそらくBerryzを「理
不尽な脱退」というものから完全に離れた場所に置いて考えていたような気が
する。「理不尽な脱退」の向こうにあるのはいつも事務所の影だったし、本人
や家族の意志が介在する脱退のことなんて、もう僕の意識の中には存在もして
いなかった(そういうことが起こったのは2001年よりも前のことだった)。
僕は2004/2/7以来、たぶん、もうこういう風に女の子を好きになることは
無い気がしていたし、今でも、たぶんこれが最後なんだろうと思っている。
□
「ドゥーアップ」にしても、「パッション」にしても、舞波の声は僕のような
いい加減な聴き手にもはっきりと分かる個性だった。木戸孝允と言った舞波も、
フレッツ動画の黒衣装で決めた舞波も、それを大人っぽいと賞賛するみんなも、
全てが「キッズ」と言う幸せな記憶の一つ一つであり、Berryzと言う記憶の一
つ一つだった。
だから悲しいのだと思う。
僕は、いつかDさんが怒り気味に言った「それを丸ごと愛せなくて一体どうする
んですか」と言う言葉を思い出す。まったく、その通りだと思う。
そうでないとしたら、何もかもが代替可能だと言うのだろうか。
僕はそういう考えを目にする度にどうしようもない、抑えきれない怒りを覚える。
そして、どうしようもなく寂しくなる。
□
初めての単独コンサート、名古屋の駐車場。寝転がった頭の砂利の感覚を思い出す。
僕はあの時、本当に幸せだったのだ。