EH! MUNDO BOM TAI
御茶ノ水駅から昌平橋への坂を自転車で滑り降りる。
僕の日常には珍しいスピード。オカールを背中に想像する。笑い声を。いい天気。
□
そのあと秋葉で買い物。
オカール。最近手首が痛いから、新しいマウスと低反発マウスパッドを買うんだ。
予測された貧乏性発動。
3000円…いや5000円……そこまで出すなら7000円…いやマウスごときに7000円
など…。結局迷いすぎて憔悴し、もうなんでもいいやとロジクールマウスを持って
レジへ。ポイントカードの移行が済んでいなかったらしく、かなり長い間待たされる。
適当にウォークマンに突っ込んだCDRからは無邪気に選曲された昔のハロプロ曲。
全てを飛ばし、辿り着いたハイ・ラマズをリピートする。本当に悲しい行為だ。
目の前にはスピーカー売り場があり、僕はそこに懐かしい横顔と佇まいを見つけた。
髪型、体型、服装そのまま。何よりもあのセカンドバッグはNさんに違いない。
カードの手続きをする店員を脇に、Nさんが売り場から離れないか監視。僕はあの
懐かしい肉体労働の日々を思い出した。Nさんは今でもあの頃の仲間と会っている
のだろうか…。
手続きが終わり、声をかける。二度かける。「…違う」「あ、すみませんでした」
□
なんだかやたらと凹んでしまい、それは自分が人の見分けが付かないほどぼけて
しまったのかというショックか、もう一つはその迷惑そうな彼の表情へのショッ
クか、と考えている内に、ふともう一つの疑念が生じた。
彼は本当にNさんだったのではないか。
その可能性と迷惑そうな表情が重なった時、僕はまた一人勝手に激しく落ち込む
のだった。そんなくだらない話題を電話するような友達は僕には居ない。僕は心
の中でオカールにそれを説明しようと試みた。そして、10分もするともう泣きそ
うになった。なぜだかはいつものように分からない。
スピードを上げて、家へ急いだ。
人混みの中にいるのがやたらと不安だった。
□
帰って仕事をし、終え、酒を飲む。
今日もやたらと疲れている。
酒を飲みながら、プラチナBBのキッズ楽屋で、誰彼かまわず手を引いて一緒に写真
を撮ろうとするオカールを思い出している。そして、同時に子供の頃、僕の手を
強引に引っ張った女の子のことを思い出している。
ジョニー・アルフの"ELE E"だけが静かに響いている。
世界は僕を疎外している。
それを妄想だと考えるのも面倒くさくて、僕はオカールと会いたいとだけ思っている。
僕の日常には珍しいスピード。オカールを背中に想像する。笑い声を。いい天気。
□
そのあと秋葉で買い物。
オカール。最近手首が痛いから、新しいマウスと低反発マウスパッドを買うんだ。
予測された貧乏性発動。
3000円…いや5000円……そこまで出すなら7000円…いやマウスごときに7000円
など…。結局迷いすぎて憔悴し、もうなんでもいいやとロジクールマウスを持って
レジへ。ポイントカードの移行が済んでいなかったらしく、かなり長い間待たされる。
適当にウォークマンに突っ込んだCDRからは無邪気に選曲された昔のハロプロ曲。
全てを飛ばし、辿り着いたハイ・ラマズをリピートする。本当に悲しい行為だ。
目の前にはスピーカー売り場があり、僕はそこに懐かしい横顔と佇まいを見つけた。
髪型、体型、服装そのまま。何よりもあのセカンドバッグはNさんに違いない。
カードの手続きをする店員を脇に、Nさんが売り場から離れないか監視。僕はあの
懐かしい肉体労働の日々を思い出した。Nさんは今でもあの頃の仲間と会っている
のだろうか…。
手続きが終わり、声をかける。二度かける。「…違う」「あ、すみませんでした」
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なんだかやたらと凹んでしまい、それは自分が人の見分けが付かないほどぼけて
しまったのかというショックか、もう一つはその迷惑そうな彼の表情へのショッ
クか、と考えている内に、ふともう一つの疑念が生じた。
彼は本当にNさんだったのではないか。
その可能性と迷惑そうな表情が重なった時、僕はまた一人勝手に激しく落ち込む
のだった。そんなくだらない話題を電話するような友達は僕には居ない。僕は心
の中でオカールにそれを説明しようと試みた。そして、10分もするともう泣きそ
うになった。なぜだかはいつものように分からない。
スピードを上げて、家へ急いだ。
人混みの中にいるのがやたらと不安だった。
□
帰って仕事をし、終え、酒を飲む。
今日もやたらと疲れている。
酒を飲みながら、プラチナBBのキッズ楽屋で、誰彼かまわず手を引いて一緒に写真
を撮ろうとするオカールを思い出している。そして、同時に子供の頃、僕の手を
強引に引っ張った女の子のことを思い出している。
ジョニー・アルフの"ELE E"だけが静かに響いている。
世界は僕を疎外している。
それを妄想だと考えるのも面倒くさくて、僕はオカールと会いたいとだけ思っている。