人間はもう終わりだ!
社会合の行き帰り、自転車を漕ぎながらずっと梨沙子について考えていた。
ジョニー・アルフの"SAMDALIA DE PRATA"。
□
「全ての歌はラブソングである」と、どこかで聴いたような言葉が頭の中を巡り、ジョニ
ー・アルフの優しい歌い口、甘いメロディー、そして梨沙子のことを思い浮かべると、そ
の言葉は僕にとって真実以外の何者でもなかった。
自転車に乗りながら、その複雑なメロディーを口ずさんでいるだけで息が切れた。
息を切らしながら、梨沙子だったらきっとこんな展開のメロディーにもついていけるんだ
ろうな、と想像する。梨沙子の声には歌う歓びが溢れていて、その歓びはいつか、どこか
でこのようなメロディーを求めるような気がする。逆に言えば、この人懐こく切ないメロ
ディーが梨沙子を求めているような気がする。
「ハピネス」のダンスレッスンでバカ全開を見せつけていたあの梨沙子が、いつからかそ
の表情や声に恥じらいを見せるようになった。僕にとってそれは無意識的な大事件で、だ
からこそ、このように言葉にしてそれを表すことが難しいのかも知れない。
ただ僕ができるのは、梨沙子がこのメロディーをどう感じるのか想像することだけで、僕
の部屋で僕と梨沙子の声が交わる瞬間を想像することだけで、しかし一生そんなことがあ
る訳はなく、いや、でも、むしろそんな想像はするだけで自分が惨めになることが分かっ
ていて、それでもしてしまうと言うことは、これは完全な性質なのだろうな、と思った。
そして、そんなことをずっと書き続けているような気がした。
それは永遠にラブソングであり、ブルースなのかも。
だから惹かれるのかも。
□
メロディーと梨沙子と僕の三つの関係は変わりようがないのかも知れない。
もともと僕と女の子との関係はそのようなもので、しかし、ここまで混乱し、取り乱すと
いうことは何なのだろうと思う。僕はそれに脅えてしまう。
僕がおかしいのか。梨沙子がおかしいのか。
□
人間はもう終わりだ!
バカばっかりで、どうしようもねえ!
愛は弱者の言い訳だ!
俺は暴力が怖くて、眠れねえ!
□
と、梨沙子に歌って欲しい。そしたら本当の終わりなんだ。
ジョニー・アルフの"SAMDALIA DE PRATA"。
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「全ての歌はラブソングである」と、どこかで聴いたような言葉が頭の中を巡り、ジョニ
ー・アルフの優しい歌い口、甘いメロディー、そして梨沙子のことを思い浮かべると、そ
の言葉は僕にとって真実以外の何者でもなかった。
自転車に乗りながら、その複雑なメロディーを口ずさんでいるだけで息が切れた。
息を切らしながら、梨沙子だったらきっとこんな展開のメロディーにもついていけるんだ
ろうな、と想像する。梨沙子の声には歌う歓びが溢れていて、その歓びはいつか、どこか
でこのようなメロディーを求めるような気がする。逆に言えば、この人懐こく切ないメロ
ディーが梨沙子を求めているような気がする。
「ハピネス」のダンスレッスンでバカ全開を見せつけていたあの梨沙子が、いつからかそ
の表情や声に恥じらいを見せるようになった。僕にとってそれは無意識的な大事件で、だ
からこそ、このように言葉にしてそれを表すことが難しいのかも知れない。
ただ僕ができるのは、梨沙子がこのメロディーをどう感じるのか想像することだけで、僕
の部屋で僕と梨沙子の声が交わる瞬間を想像することだけで、しかし一生そんなことがあ
る訳はなく、いや、でも、むしろそんな想像はするだけで自分が惨めになることが分かっ
ていて、それでもしてしまうと言うことは、これは完全な性質なのだろうな、と思った。
そして、そんなことをずっと書き続けているような気がした。
それは永遠にラブソングであり、ブルースなのかも。
だから惹かれるのかも。
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メロディーと梨沙子と僕の三つの関係は変わりようがないのかも知れない。
もともと僕と女の子との関係はそのようなもので、しかし、ここまで混乱し、取り乱すと
いうことは何なのだろうと思う。僕はそれに脅えてしまう。
僕がおかしいのか。梨沙子がおかしいのか。
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人間はもう終わりだ!
バカばっかりで、どうしようもねえ!
愛は弱者の言い訳だ!
俺は暴力が怖くて、眠れねえ!
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と、梨沙子に歌って欲しい。そしたら本当の終わりなんだ。