桃子コンプレックス
某所で桃子と日直。
年末恒例の席替え大会でも隣の席だったし、これは一体なに?
僕と桃子が結ばれると言うお告げ……?それでもそれを素直に
喜べない僕の桃子コンプレックス……。
あの過剰なまでのキャピキャピ感と、その裏にある野心、野望。
過剰に明るい笑顔と、過剰に冷たい表情。桃子が僕のことなん
か好きになるわけがない。そもそも桃子に好きな男なんている
んだろうか…?
「私はアイドルだから、うたかくんとはつきあえないの、ごめんネ」
そんな言葉が驚くほど鮮やかに脳裏に浮かぶ。桃子とは、そこ
まで。誰もそれ以上には行けない気がする。
しかし、偶然がそんな状況を超えるとしたら…。
もし桃子と自分が兄妹だったら……。もし桃子のさらなる内面を
覗き見れてしまうような立場に自分が居たら……。僕は変態の
兄として、桃子に疎まれるのだろうか。桃子に罵倒される瞬間を
想像し、そしてその悲しさの中に微かな快感を感じる。
しかし、僕は別に真性のマゾでもないので、ぶつぶつと言い返す
だろう。元気な時には言い合いになったりもするだろう。しかし、
ブラウン管の中に桃子を見る時、僕は今と同じように萌えている
だろう。桃子に萌えている時、僕は現実の中には居ない。
□
桃子色に、どぎつく過剰に演出された幻想世界。
食虫植物に誘い込まれるように、ふらふらと僕は桃子の中へと入
っていく。そこには甘い匂いが立ちこめていて、僕は段々と自分を
失っていく。
意識の波が揺り返した時、僕は、現実の、独りで居る桃子のことを
想像してみる。貧乏くさくて、性格の悪い桃子のことを。
二つの幻想の間に居る桃子はとても魅力的だ。
僕のコンプレックスをくすぐり、逃げていく桃子のことを捕まえたい
と思う。その時、僕は何を見るのだろう。
年末恒例の席替え大会でも隣の席だったし、これは一体なに?
僕と桃子が結ばれると言うお告げ……?それでもそれを素直に
喜べない僕の桃子コンプレックス……。
あの過剰なまでのキャピキャピ感と、その裏にある野心、野望。
過剰に明るい笑顔と、過剰に冷たい表情。桃子が僕のことなん
か好きになるわけがない。そもそも桃子に好きな男なんている
んだろうか…?
「私はアイドルだから、うたかくんとはつきあえないの、ごめんネ」
そんな言葉が驚くほど鮮やかに脳裏に浮かぶ。桃子とは、そこ
まで。誰もそれ以上には行けない気がする。
しかし、偶然がそんな状況を超えるとしたら…。
もし桃子と自分が兄妹だったら……。もし桃子のさらなる内面を
覗き見れてしまうような立場に自分が居たら……。僕は変態の
兄として、桃子に疎まれるのだろうか。桃子に罵倒される瞬間を
想像し、そしてその悲しさの中に微かな快感を感じる。
しかし、僕は別に真性のマゾでもないので、ぶつぶつと言い返す
だろう。元気な時には言い合いになったりもするだろう。しかし、
ブラウン管の中に桃子を見る時、僕は今と同じように萌えている
だろう。桃子に萌えている時、僕は現実の中には居ない。
□
桃子色に、どぎつく過剰に演出された幻想世界。
食虫植物に誘い込まれるように、ふらふらと僕は桃子の中へと入
っていく。そこには甘い匂いが立ちこめていて、僕は段々と自分を
失っていく。
意識の波が揺り返した時、僕は、現実の、独りで居る桃子のことを
想像してみる。貧乏くさくて、性格の悪い桃子のことを。
二つの幻想の間に居る桃子はとても魅力的だ。
僕のコンプレックスをくすぐり、逃げていく桃子のことを捕まえたい
と思う。その時、僕は何を見るのだろう。