汗染みは淡いブルース
修学旅行の時の、慣れないシーツの匂いがした。
気づくとやはり周りには誰か寝ているようで、僕は修学旅行に来たのだろう。
僕の隣には茉麻が居た。
起きている者は数人いたけれど、僕は意に介さなかった。僕は茉麻を見た。
茉麻も僕を見た。茉麻の瞳は見る度に湖のように深く潤んで、僕を引き込んだ。
姿勢も変えていないし動いてもいないのに、茉麻との距離はどんどん縮んでい
った。一言も会話をしなくても、目を合わせているだけでお互いの考えている
ことが分かった。僕らはお互いにとても強く惹かれあっていた。とても強く。
起きていたものの一人が僕らの隣り合った布団の真ん中に入ってきて、僕の
伸ばした手の上にうつぶせに寝ころんだ。柔らかい胸の感触がした。めーぐる
だった。僕らはその内、三人でゲームの相談をした。カードを配る茉麻のパジャ
マの隙間から、透き通るような白い肌が見えた。
□
目覚めると、誰かに抱きしめられていた。
全く知らない痩せたパーマの男だった。身動きを取ろうとしても強い力で抑えら
れていて、僕は仕方なく「すいません、起きます」と言った。起きて部屋を見回
すと、浴衣を着た見知らぬ中年の男達が数人居た。物音で不機嫌そうに起きてくる
彼らを見ながら、僕はちょっと前の夢の出来事について思い出そうとした。
□
このどうしようもなく不愉快な夢の結末を経ても、僕は病気みたいに茉麻のこと
を思い出し続けている。もう、夢の中でしか恋の感覚は味わえないのだろうか…。
起きてすぐにキリンジの「ペイパードライヴァーミュージック」が聴きたくなった。
気づくとやはり周りには誰か寝ているようで、僕は修学旅行に来たのだろう。
僕の隣には茉麻が居た。
起きている者は数人いたけれど、僕は意に介さなかった。僕は茉麻を見た。
茉麻も僕を見た。茉麻の瞳は見る度に湖のように深く潤んで、僕を引き込んだ。
姿勢も変えていないし動いてもいないのに、茉麻との距離はどんどん縮んでい
った。一言も会話をしなくても、目を合わせているだけでお互いの考えている
ことが分かった。僕らはお互いにとても強く惹かれあっていた。とても強く。
起きていたものの一人が僕らの隣り合った布団の真ん中に入ってきて、僕の
伸ばした手の上にうつぶせに寝ころんだ。柔らかい胸の感触がした。めーぐる
だった。僕らはその内、三人でゲームの相談をした。カードを配る茉麻のパジャ
マの隙間から、透き通るような白い肌が見えた。
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目覚めると、誰かに抱きしめられていた。
全く知らない痩せたパーマの男だった。身動きを取ろうとしても強い力で抑えら
れていて、僕は仕方なく「すいません、起きます」と言った。起きて部屋を見回
すと、浴衣を着た見知らぬ中年の男達が数人居た。物音で不機嫌そうに起きてくる
彼らを見ながら、僕はちょっと前の夢の出来事について思い出そうとした。
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このどうしようもなく不愉快な夢の結末を経ても、僕は病気みたいに茉麻のこと
を思い出し続けている。もう、夢の中でしか恋の感覚は味わえないのだろうか…。
起きてすぐにキリンジの「ペイパードライヴァーミュージック」が聴きたくなった。