Times Gone Bye
時は確実に流れている。
ハロプロで歌う本人から「大人っぽい曲」っていう前情報が出ると、僕はいつも
「ああ、じゃああんまり期待しない方がいいなぁ」って思ってしまうようになっ
てた。けど、今のBerryzにはそんな心配は無用な気がする。僕は子供に大人っぽ
い歌詞を歌わせるとか、こんな幼い子供がこんなにも本格的な、大人顔負けのパ
フォーマンスを…とか、そういうコンセプトに激萎えるタイプだったから、「あ
なたなしでは~」もリリース当時はそんなに感心していなかった。「お、いいじ
ゃん」位から「…あ、あ、いい…いいッッ最高ッッッ!!!」に変わって踊り狂う
ようになったけど。
あれからBerryzは最高のポップ爆弾を三つ落とした。
未来への希望を見出すことが段々難しくなってきていた僕に、その爆弾はあまりに
強烈だった。全てが新鮮な感動に満ち、ハロプロが一番輝いていた頃のつんくのポ
ップ・フィーリングーー他愛無かったり、荒唐無稽だったりな歌詞が、少女達の躍
動を背景にたちまち輝き出し、それに夢を見てしまう瞬間ーーに溢れていた。
僕はいつの間にかBerryz(キッズ)のことしか考えられなくなった。
キッズやBerryzの番組を見たり、曲を聴いたり、友達とキッズのことを話す時、僕
はとても幸せな気持ちになった。そして、それとは反対に、娘。のことについて話
したり、考えたりしているのがどうしようもなく辛かった。僕はその時にはもう、
娘。の曲について期待することを止めていたし、未来のメンバーのことよりは、辞
めていくメンバーのことしか考えられなくなっていた。「ソロ」と言う価値の名の
元に、自分にとっての最高の価値である「娘。」が解体されていくことに、僕は耐
えられなかった。解体されていく娘。の一瞬の輝きを目にしても(さくらや、おとめ
や…)、僕は先のことを考えるとどうしても絶望せざるを得なかった。
結局は前倒しの発表と日常の何やかやに埋もれて、全てを忘れてしまう。
そして、一年に一回、身を引き裂かれるような悲しみがやって来る。僕はそのよう
な繰り返しにもう耐えられなかった。娘。達が失いながら、かたちを変えながら、
素晴らしい輝きを放ってきたことは身に染みて知っている。でも、もう多分、あの
時のような、あの時に代わるような輝きや価値を見つけることは出来ないだろう。
僕は時間が経つごとに、そう感じるようになった。なっちの新曲が出たり、ごっち
んの新曲が出たり、辻ちゃんと加護ちゃんの事や、耳に入る全ての情報が僕の絶望
を強めていった。
悲しいことだけど、僕は、結局は娘。を裏切ったんだと思う。
辛いことから逃げる為に、僕は心を閉ざしたんだと思う。ずっと、ずっと好きだと
思っていたけど。いや、僕の勝手な理由で、それは駄目になった。メンバーとファ
ンの信頼関係は続いているし、僕はもうその中には入るべきでは無いのかも知れない。
□
親しい友達とも話が合わなくなった時期があった。
お互いにそれを感じないはずは無くて、色々な話をした。彼らの話を聞けば聞く程、
自分がどうしようもなく汚い人間なのではないか、と思わずにいられなかった。
自分の気持ちを変える事ができないのも分かっていた。でも、僕が信じたのは娘。
達個人であり、朝まで話し合った友人であり、システムでは無いのだ。システムに
よってもたらされた不幸だけが、娘。にも、友達にも、僕にもきっと同じなのだ。
僕はそのことをもっと、自分の思うように、正確に、友人に伝えたいと思う。
決して偽善では無く、システムこそが僕らを引き裂いてしまったと言うことを。
そして、その気持ちだけはずっと忘れないでいようと言うことを。
人質政策みたいな抱き合わせ販売に惑わされてはいけない。
お互いのことを憎んではいけない。もしかすると、これは僕が僕自身に言っている
言葉なのかも知れないけど。でも、僕は僕なりになにかを失いたくないと思ったんだ。
□
…何を言いたいのかを忘れてしまって、040804二人ゴトの「ダルマさんが転んだ」の
動画をループし始めた。みんなのことが愛おしくてたまらない。マッチョポーズばっか
り取る茉麻に梨沙子が何回も触りたがる。僕には、梨沙子の気持ちが良く分かる。しみ
ハムはいつも通りに品の良い格好をしていて、リーダーらしく全体のバランスを考えた
ポーズを取る。「転んだ!」での雅ちゃんのポーズは剽軽でありつつ、とてつもなく優
雅で、そして梨沙子はその野生、バカさ加減を何の遠慮もなく発している。
「恋の呪縛」
確か、番組では「生まれる前…」とか言っていたし、友理ちゃんは「大人っぽい曲で…」
と言いながら何故か頬を上気させていたように感じた。時は流れ、Berryzは少しずつ
成長し始めている。もし曲調が同じようなものだったとしても、それは「あなたなしで
は~」とは全く意味が違ったものになっているだろう。むしろ、僕はそれに更なる業の
深いものや、それに関わる性を感じるような気がする。
「ダルマさんが転んだ」のままで居て欲しい。
だけど、Berryzは成長してその輝きを少しずつ変えて行く。万華鏡のように、ほんの
少しの角度や光でその美しさは劇的に姿を変えてしまう。ただ、それだけの光の反射が
悲しくなってしまう。それほど、Berryzは美しい。
動画が終わってみんなのポーズが固まった時、僕の心も完結する。
そして、Berryzは「恋の呪縛」で完結した僕の心を壊すほど美しくなっていくのだ。
ハロプロで歌う本人から「大人っぽい曲」っていう前情報が出ると、僕はいつも
「ああ、じゃああんまり期待しない方がいいなぁ」って思ってしまうようになっ
てた。けど、今のBerryzにはそんな心配は無用な気がする。僕は子供に大人っぽ
い歌詞を歌わせるとか、こんな幼い子供がこんなにも本格的な、大人顔負けのパ
フォーマンスを…とか、そういうコンセプトに激萎えるタイプだったから、「あ
なたなしでは~」もリリース当時はそんなに感心していなかった。「お、いいじ
ゃん」位から「…あ、あ、いい…いいッッ最高ッッッ!!!」に変わって踊り狂う
ようになったけど。
あれからBerryzは最高のポップ爆弾を三つ落とした。
未来への希望を見出すことが段々難しくなってきていた僕に、その爆弾はあまりに
強烈だった。全てが新鮮な感動に満ち、ハロプロが一番輝いていた頃のつんくのポ
ップ・フィーリングーー他愛無かったり、荒唐無稽だったりな歌詞が、少女達の躍
動を背景にたちまち輝き出し、それに夢を見てしまう瞬間ーーに溢れていた。
僕はいつの間にかBerryz(キッズ)のことしか考えられなくなった。
キッズやBerryzの番組を見たり、曲を聴いたり、友達とキッズのことを話す時、僕
はとても幸せな気持ちになった。そして、それとは反対に、娘。のことについて話
したり、考えたりしているのがどうしようもなく辛かった。僕はその時にはもう、
娘。の曲について期待することを止めていたし、未来のメンバーのことよりは、辞
めていくメンバーのことしか考えられなくなっていた。「ソロ」と言う価値の名の
元に、自分にとっての最高の価値である「娘。」が解体されていくことに、僕は耐
えられなかった。解体されていく娘。の一瞬の輝きを目にしても(さくらや、おとめ
や…)、僕は先のことを考えるとどうしても絶望せざるを得なかった。
結局は前倒しの発表と日常の何やかやに埋もれて、全てを忘れてしまう。
そして、一年に一回、身を引き裂かれるような悲しみがやって来る。僕はそのよう
な繰り返しにもう耐えられなかった。娘。達が失いながら、かたちを変えながら、
素晴らしい輝きを放ってきたことは身に染みて知っている。でも、もう多分、あの
時のような、あの時に代わるような輝きや価値を見つけることは出来ないだろう。
僕は時間が経つごとに、そう感じるようになった。なっちの新曲が出たり、ごっち
んの新曲が出たり、辻ちゃんと加護ちゃんの事や、耳に入る全ての情報が僕の絶望
を強めていった。
悲しいことだけど、僕は、結局は娘。を裏切ったんだと思う。
辛いことから逃げる為に、僕は心を閉ざしたんだと思う。ずっと、ずっと好きだと
思っていたけど。いや、僕の勝手な理由で、それは駄目になった。メンバーとファ
ンの信頼関係は続いているし、僕はもうその中には入るべきでは無いのかも知れない。
□
親しい友達とも話が合わなくなった時期があった。
お互いにそれを感じないはずは無くて、色々な話をした。彼らの話を聞けば聞く程、
自分がどうしようもなく汚い人間なのではないか、と思わずにいられなかった。
自分の気持ちを変える事ができないのも分かっていた。でも、僕が信じたのは娘。
達個人であり、朝まで話し合った友人であり、システムでは無いのだ。システムに
よってもたらされた不幸だけが、娘。にも、友達にも、僕にもきっと同じなのだ。
僕はそのことをもっと、自分の思うように、正確に、友人に伝えたいと思う。
決して偽善では無く、システムこそが僕らを引き裂いてしまったと言うことを。
そして、その気持ちだけはずっと忘れないでいようと言うことを。
人質政策みたいな抱き合わせ販売に惑わされてはいけない。
お互いのことを憎んではいけない。もしかすると、これは僕が僕自身に言っている
言葉なのかも知れないけど。でも、僕は僕なりになにかを失いたくないと思ったんだ。
□
…何を言いたいのかを忘れてしまって、040804二人ゴトの「ダルマさんが転んだ」の
動画をループし始めた。みんなのことが愛おしくてたまらない。マッチョポーズばっか
り取る茉麻に梨沙子が何回も触りたがる。僕には、梨沙子の気持ちが良く分かる。しみ
ハムはいつも通りに品の良い格好をしていて、リーダーらしく全体のバランスを考えた
ポーズを取る。「転んだ!」での雅ちゃんのポーズは剽軽でありつつ、とてつもなく優
雅で、そして梨沙子はその野生、バカさ加減を何の遠慮もなく発している。
「恋の呪縛」
確か、番組では「生まれる前…」とか言っていたし、友理ちゃんは「大人っぽい曲で…」
と言いながら何故か頬を上気させていたように感じた。時は流れ、Berryzは少しずつ
成長し始めている。もし曲調が同じようなものだったとしても、それは「あなたなしで
は~」とは全く意味が違ったものになっているだろう。むしろ、僕はそれに更なる業の
深いものや、それに関わる性を感じるような気がする。
「ダルマさんが転んだ」のままで居て欲しい。
だけど、Berryzは成長してその輝きを少しずつ変えて行く。万華鏡のように、ほんの
少しの角度や光でその美しさは劇的に姿を変えてしまう。ただ、それだけの光の反射が
悲しくなってしまう。それほど、Berryzは美しい。
動画が終わってみんなのポーズが固まった時、僕の心も完結する。
そして、Berryzは「恋の呪縛」で完結した僕の心を壊すほど美しくなっていくのだ。