悪いこと
ねえ友理ちゃん、今日僕はちょっと悪いことをしたんだよ。
その休み時間に、友理ちゃんに電話をかけたくなった。
「ねえ友理ちゃん、僕はこんな悪いことをしているんだよ」って。
友理ちゃんの言葉が聞きたかったんだ。友理ちゃんがそれについてどう思うか。
夕方の休み時間には、友達に電話した。
暗い話だったけど、暗い話なりに安心することはあるんだ。
「悪いこと」が刺激的なのは最初の方だけで、僕はもうその夕方
には家に帰りたくなっていた。僕は暖かい家庭のようなものを想
像した。自分にそういうものが無いわけじゃない。想像したんだ、
絵本に出てくるような、そういう家庭を。もう、キッズは、そんな家
にたどり着いて温かいご飯を食べている頃なんだな…。
勝手な妄想だけど、それを考えると僕の心は和んだ。
煙草と汗の匂いにまみれた自分から最も遠い世界のことを考えると。
そして家に帰った今、キッズの笑顔とケニー・ランキンの音楽に、酒に、
僕の尖った神経は完全にふにゃふにゃになっている。
自分が何を言いたいのか分からない。
ただ、このふわふわした感覚をどんなかたちでもいいから発したい。
色んなものがほどけていく。この感覚を友理ちゃんと一緒に味わえたら。
それを友理ちゃんはエンジョイって言ってくれるだろうか…?
その休み時間に、友理ちゃんに電話をかけたくなった。
「ねえ友理ちゃん、僕はこんな悪いことをしているんだよ」って。
友理ちゃんの言葉が聞きたかったんだ。友理ちゃんがそれについてどう思うか。
夕方の休み時間には、友達に電話した。
暗い話だったけど、暗い話なりに安心することはあるんだ。
「悪いこと」が刺激的なのは最初の方だけで、僕はもうその夕方
には家に帰りたくなっていた。僕は暖かい家庭のようなものを想
像した。自分にそういうものが無いわけじゃない。想像したんだ、
絵本に出てくるような、そういう家庭を。もう、キッズは、そんな家
にたどり着いて温かいご飯を食べている頃なんだな…。
勝手な妄想だけど、それを考えると僕の心は和んだ。
煙草と汗の匂いにまみれた自分から最も遠い世界のことを考えると。
そして家に帰った今、キッズの笑顔とケニー・ランキンの音楽に、酒に、
僕の尖った神経は完全にふにゃふにゃになっている。
自分が何を言いたいのか分からない。
ただ、このふわふわした感覚をどんなかたちでもいいから発したい。
色んなものがほどけていく。この感覚を友理ちゃんと一緒に味わえたら。
それを友理ちゃんはエンジョイって言ってくれるだろうか…?