僕はどうしようもない人間だけど
舞美さんのことを永遠に世界一好きではいられなかったけど、
でも、舞美さんは笑って僕を祝福してくれるような気がする。
今日、ふとそんな気がした。
この形式的で冷酷な世界の中で、そんなものはただの僕の思い込みに過ぎない。
でも、僕はアイドルとファンという関係において最後に残るのはそういった
信頼のようなものではないかと思う。
理屈じゃなくて、ただそれを信じられる。
そのよすがは、数えきれない想い出の中に詰まっている。
でも、僕は、舞美さんじゃない、他の子を好きになった。
もう、昔のようにここに文章を書くことはないかも知れない。
届かないラブレターを綴る意味はもうなくなってしまったからだ。
ラブレターが届かない時、僕は絶望の淵にいたけれど、なんだかそれで
良かったような気もする。舞美さんは本当に最高の女の子だけど、僕が
最終的に求めたものは、舞美さんに求めてはいけなかったんだと思う。
今も、求めてはいけないものを求めているのかもしれないけど。
でも、なんだか昔よりは楽になった。
僕は、舞美さんのことが好きだった。ただそれだけのことでいい。