Nica'S Dream
今週は休日が一日しか無い。明日にはもう仕事だ…。
軽い二日酔いで一日寝たまま過ごし、夜に目覚め、買い置きの写真整理を
開始する。全写真をスキャンし、iPhotoに取り込む。iPhotoに取り込んだ
後はタグを付ける。まずBerryzと℃-uteにグループ分けし、縦写真と横写
真を分類し、衣装ごとに分類し、個人の名前のタグを打ち込んでいく。
雅ちゃん、しみハム、雅ちゃん、雅ちゃん、友理ちゃん、ちなこ、梨沙子、
茉麻、梨沙子、茉麻、しみハム……とこんな感じに。ひたすら単調な作業に
微かな喜びを覚える。舞美さん、めーぐる、舞美さん、めーぐる…。
そんな風に、いつの間にか夜が明けていた。
□
めーぐると茉麻が夢に出てきた。
確か僕はめーぐるに振られた。そしてその数秒後には茉麻に言い寄るという
思い出してみると最低な夢だった。しかし、夢の中ではなぜか全てが心地よ
かった。めーぐるに振られることも、欲望に身を任せることも。
夢の中で誰かが耳馴染みのあるメロディーを口ずさんでいた。
僕はそれがカル・ジェイダーの演奏する「レディ・マドンナ」だと思い出し
た。ビートルズのことは思い出さなかった。僕は彼女に声をかけた。
「サウンズ・アウト・バート・バカラックって知ってる…?」
彼女は知っていると答えた。
彼女は中学生の同級生だったような気もするし、キッズだったような気もす
る。僕が出会った魅力的な女の子達のイメージが、奇妙な物語の中で美しく
絡み合いほどけていく。僕はその場所でだけ、安らぎを得ることができる。
僕はまだ夢の中に居て、カル・ジェイダーのヴァイヴの音はとてもまろやか
だ。このままずっとキッズ達と向こうの世界に居られたら…。