時空がねじまがったような感覚の中から抜け出し、僕はその意味を
考えようとするけど、そこには何の意味も見つからない。僕の妄想と
現実があまりにもかけ離れているからなんだろうか。僕は決してそれ
に不幸を感じているわけでは無く、むしろ喜びをともなった驚きを感じ
ている。だって、あんなに好きな、こんなに好きなBerryzと会うことが
こんなにもあっけないものだなんて。一人になって急に淋しくなる。
もっと気の利くことをいうべきだったとか、目をしっかりと見るべきだっ
たとか色々思うけど、その時の僕にはそれしかできなかったのだ。
もし明日それがあったとしても、きっと僕は同じようにしかできない。
僕はいつも僕の部屋で、茉麻は、しみハムはどの位大きいのか想像
する。でも、全然上手くいかないから、イベントではどの位の大きさ
なのか目に焼き付けてやろうと思う。でも、しみハムと握手したその
瞬間から僕は異次元に陥ってしまい、時間の流れや、縮尺や、全て
のものをいつものように見ることができない。ただ、彼女たちの存在
に、その手の小ささに驚いてしまう。これは夢なのではないか?
□
僕が考えている梨沙子と、現実の梨沙子は奇妙に違っている。
でも、本物の梨沙子とは、その奇妙に見えた方の梨沙子に違いなく
て、僕はまた混乱する。彼女の成長の速さに僕の意識はついていけ
ない。悲しくて悲しくて、たまらなくなる。でも、僕はその悲しみに近
づくためにここに来ているようなものなのだ。
考え込んでいるうち、現実の表面近くまで意識が浮かび上がる。
僕は、Berryzが好きで、これからもっともっと好きになる予感がする。
昼間のビールと眠気が幸せに身体を包んでいる。ふと、舞波のとびきり
頑張った笑顔を思い出す。舞波が愛しくなる。ああ、Berryz……。
今日のは、夢じゃないんだよね。夢でも会えるといいね…。
夕暮れどきに感じるこの寂しさを、みんなも味わっているだろうか。