いきあたりばったりの幻想
マーサはこれから恋をするのかな…。
俺と握手したことなんて、多分………いや、やめろッッ!!!
ジョニー・アルフの音楽みたいな甘い生活は多分どこかに
待っている筈だ。ああ……マーサと動物園に行きたい。
あの臭い、ろくでもない場所を一緒に歩きたい。親子でも、
親戚でも、従姉妹でもなんでもいいから一緒に歩きたい。
マーサが「しろくま」とかを見て表情を輝かしているのを
見たいんだ。
「ねえ、こうじくん、どうしてしろくまはいつまでも同じところを
行ったり来たりしてるの?」とか聞かれちゃったりして、で、
「うーん、なんでだろうねえ……?」と答えて、そのまま二人で
「しろくま」を何十秒か眺めて、結局答えも出ずに次の檻へ移
動したりすることを。アイスクリームを買ってあげたりするような
ことを。マーサがそれを意外なほど美味しそうに、喜んでくれ
たりするようなことを。
マーサの幼さの生々しさが瞼の浦に残り、誰か友達と酒を飲み
ながら、それを思い出したりしていることを。それは幻じゃないか
と思ってしまうような出来事を。
でも、翌日僕は太陽の下でマーサの笑顔を見つけることができる。
マーサの生は、僕とまったく関係なく輝いている。
僕はそれを守りたいと思う。
手を伸ばしたいと思う。しかし、僕が現実に彼女にしてあげられる
ことは、とても限られたものだ。そして、僕はその限られた世界の
中で彼女を見ていたいとも思っている。
言語の世界で僕は僕の感情を有効に説明することは出来ない。
しかし、音楽の世界では、僕はジェット・コースターに乗るみたいに
その起伏を明確に、身体に感じることができる。
きっと、僕はマーサが好きなのだ。
でも、僕はマーサが好きだと言うことで、彼女が立っている社会から
自分が転げ落ちてしまうことを恐れている。そして、彼女がそのよう
なものを求めないことも知っている。僕は暗いニュースを夕方の食卓
に届けようなんて思っていない。
ただ、ジョニー・アルフや、マルコス・ヴァーリや、僕が短い人生の中で
出会った素晴らしい音楽と、君達の美しさを重ね合わせてしまうだけ
なんだ。
マーサ、君の口元や、色々なところは圭織に似ているね。
僕はそれを愛しいと思う。いや、圭織に似ているから君が好きだって
言うのではなくて、なんだか、娘。的な幸せを一番君に感じているの
かも知れないっていうことを言いたかったんだ。圭織の無防備さや
無邪気さは、間違いなく、昔の娘。達の宝だった。
僕はいつからか、娘。的なものにしか恋心を感じなくなってしまった。
それはきっと僕が幼稚だって言うことなんだろう。
でも、僕は、自分が幼稚であるこの位置から無理に大人振ろうとは思
わないし、そのままで良いと思っている。この現実の、即物的な恋愛
よりも、なっちと別れることの方がよっぽど強烈なダメージになったよ
うな気がする。いや、そうであると思っている。
大切なのは「好きになってしまった」って言う事実だけで、そこから自
分は何を学び取ることが出来るのかって言うことだと思う。僕が何を
学び取ったのかなんて説明することは出来ないけど(何も学び取って
いないのかも知れない)、それだったら娘。達のライブに行ってみた方
が早い。それは、あなたが娘。のことをちょっとでも気にかけているな
ら、と言うことだけど、気にかけていなくてもライブは別の方向へと作
用するかも知れない。
マーサは、そのような意味不明な僕の娘。的文脈の先に居る。
僕はマーサが愛しい。
俺と握手したことなんて、多分………いや、やめろッッ!!!
ジョニー・アルフの音楽みたいな甘い生活は多分どこかに
待っている筈だ。ああ……マーサと動物園に行きたい。
あの臭い、ろくでもない場所を一緒に歩きたい。親子でも、
親戚でも、従姉妹でもなんでもいいから一緒に歩きたい。
マーサが「しろくま」とかを見て表情を輝かしているのを
見たいんだ。
「ねえ、こうじくん、どうしてしろくまはいつまでも同じところを
行ったり来たりしてるの?」とか聞かれちゃったりして、で、
「うーん、なんでだろうねえ……?」と答えて、そのまま二人で
「しろくま」を何十秒か眺めて、結局答えも出ずに次の檻へ移
動したりすることを。アイスクリームを買ってあげたりするような
ことを。マーサがそれを意外なほど美味しそうに、喜んでくれ
たりするようなことを。
マーサの幼さの生々しさが瞼の浦に残り、誰か友達と酒を飲み
ながら、それを思い出したりしていることを。それは幻じゃないか
と思ってしまうような出来事を。
でも、翌日僕は太陽の下でマーサの笑顔を見つけることができる。
マーサの生は、僕とまったく関係なく輝いている。
僕はそれを守りたいと思う。
手を伸ばしたいと思う。しかし、僕が現実に彼女にしてあげられる
ことは、とても限られたものだ。そして、僕はその限られた世界の
中で彼女を見ていたいとも思っている。
言語の世界で僕は僕の感情を有効に説明することは出来ない。
しかし、音楽の世界では、僕はジェット・コースターに乗るみたいに
その起伏を明確に、身体に感じることができる。
きっと、僕はマーサが好きなのだ。
でも、僕はマーサが好きだと言うことで、彼女が立っている社会から
自分が転げ落ちてしまうことを恐れている。そして、彼女がそのよう
なものを求めないことも知っている。僕は暗いニュースを夕方の食卓
に届けようなんて思っていない。
ただ、ジョニー・アルフや、マルコス・ヴァーリや、僕が短い人生の中で
出会った素晴らしい音楽と、君達の美しさを重ね合わせてしまうだけ
なんだ。
マーサ、君の口元や、色々なところは圭織に似ているね。
僕はそれを愛しいと思う。いや、圭織に似ているから君が好きだって
言うのではなくて、なんだか、娘。的な幸せを一番君に感じているの
かも知れないっていうことを言いたかったんだ。圭織の無防備さや
無邪気さは、間違いなく、昔の娘。達の宝だった。
僕はいつからか、娘。的なものにしか恋心を感じなくなってしまった。
それはきっと僕が幼稚だって言うことなんだろう。
でも、僕は、自分が幼稚であるこの位置から無理に大人振ろうとは思
わないし、そのままで良いと思っている。この現実の、即物的な恋愛
よりも、なっちと別れることの方がよっぽど強烈なダメージになったよ
うな気がする。いや、そうであると思っている。
大切なのは「好きになってしまった」って言う事実だけで、そこから自
分は何を学び取ることが出来るのかって言うことだと思う。僕が何を
学び取ったのかなんて説明することは出来ないけど(何も学び取って
いないのかも知れない)、それだったら娘。達のライブに行ってみた方
が早い。それは、あなたが娘。のことをちょっとでも気にかけているな
ら、と言うことだけど、気にかけていなくてもライブは別の方向へと作
用するかも知れない。
マーサは、そのような意味不明な僕の娘。的文脈の先に居る。
僕はマーサが愛しい。