ジャズの影響

「おにいちゃん、最近このサイト面白くな~い・・」
「忙しいんだよ。しょうがないだろ・・」
「うそ。昨日だってずっと動画整理してたの知ってるもん。その前の日は
CDのオンラインショップをずっと検索してたし、その前の日は・・・」
「・・鬱なんだよ。誰かと話するの怖い日もある・・・って娘。達も歌っ
てただろ。そんな感じなんだよ・・」
「・・・・。いいことだって、一杯あるよ。モーヲタトークライブだって
あるし、清里コンサートだってあるし、ミニモニのシングルも出るし、
爆音娘。でDJするんでしょ?娘。本体の新曲も出るし、冬限定ユニット?
なんて話もあるし・・・おにいちゃん、元気出して!」
「・・・・・・巨人が負けてるのを見たら、少し元気が出たよ」
「うん、加護も巨人なんて大嫌い!!清原なんてこっちから願い下げや!」
「・・亜依、一緒に新宿に行こう。あそこなら遅くまでレコード屋が開い
てる。それで、今まで我慢してたCDを全部買っちゃおう。新品で値が張
ったって全然構わない。買ったら、そのままコンビニに行ってお菓子を
一杯買おう。ビールも。ついでに古本屋に行こう。面白いと思った漫画
を30巻くらいまとめ買いして、一気読みしちゃおう。朝までそんな感じ
でずっとゴロゴロしてよう。それに飽きたら散歩をしよう。真夜中の散歩をさ」
「・・・・うん!」
□
皆さんは独りでいる場合、どんな時に幸福を感じるだろうか。
僕は先に書いたように、深夜、お菓子等を好きなだけ食べ、好きな音楽を
聴きながら漫画を読んだりゲームをすることである。買い物にも行きたい
が、面倒くさいので外には出たくない。せいぜいコンビニまでが限界だ。
酒を飲んでも幸福は感じるが、独りで深夜に飲み続けると、寂しくなって
しまう。まったく、呆れるほど真性の引きこもり体質だ。ふぅ。
ただ、錯覚なのかどうかわからないけど、そういう時間を過ごしている時の
自分が、一番神経が研ぎ澄まされているような気がする。音は細部まで余す
ことなく身体に染み込み、全神経は、話の筋の一番先を追っている。ページ
を繰る音が心地よい。時間の経つのが異常に早い。
外が明るくなってくると、部屋の電気を消してカーテンを開ける。
ブラウザの文字を拡大し、布団に寝転がる。モニタのぼんやりとした光と、
外から入ってくる光が僕を包む。寝転がりながら、当てもなくリンクを辿る。
やがて僕は眠気にも包まれるが、そのままリンクを辿る。眠いけど、そのまま
眠りたくない。もっと微睡んでいたい。そして眠気が限界に達した時に眠るのだ。
その沼に落ちる前の一瞬、僕はいつも誰かが隣にいないことに気づく。
□
娘。




